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「ガラスの街」(ポール・オースター,1985,2007)

ポール・オースターの初期の代表作「CITY OF GLASS」の新訳が雑誌「Coyote」誌に載った。
訳はポール・オースターのほぼすべての代表作を手がけている柴田元幸氏だ。ついこの前までは、「CITY OF GLASS」を除いた代表作を、という注釈付きであったが。これで、「CITY OF GLASS」のあとに、「幽霊たち」(1986)、「鍵のかかった部屋」(1986)とつづく、ニューヨーク三部作をすべて柴田元幸氏の訳で読めることになる。

この探偵小説風の小説は、なかなかカテゴライズの難しい作品である。探偵小説好きの人からみたら、こんなにたいしたことは起こらない、そして結末もあいまいなものはきっと許せないだろう。
そこがオースター作品の良さなわけだけど、実際に「ポール・オースターってどんな小説を書いてる人?」と訊かれても、いつも応えに迷ってしまうわけで。しかも、作品によってかなり傾向が異なるからまたややこしい。ちょっと政治的だったり、ちょっとファンシーだったり。最近ではめずらしい、いや最近でなくてもそうか、流行や時代の雰囲気に乗せられることのない孤高の小説家といったところか。



「Coyote」誌の特集は「柴田元幸が歩く、オースターの街」とあり、「CITY OF GLASS」の他、ポール・オースターと柴田元幸の対談やニューヨークについてのエッセイなどが収められている。
そんな片隅に、昨年、ぼくの誕生日がポール・オースターの日になったという記事があった。ブルックリンの区長からそのような知らせが来たそうなのだが、オースター自身の誕生日でも記念日でもないとのこと。よりによってぼくの誕生日とは、なんともオースターらしいサプライズ。

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