« サザン無期限活動休止所感 | メイン | 「WEATHERSHED」(Patagonia) »

「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」限定編集版(佐野元春,1989,2008)

佐野元春、1989年発表のアルバム『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』のアニバーサリー・エディション。正確には、20周年には1年早いけど。
3rdアルバム『Someday』(1982)以来つづく20周年記念盤シリーズの第4弾となる。オリジナル・アルバムのリマスタ版とアルバム・アウトテイクやデモ・ヴァージョンのCD、それから、リリース後におこなわれた横浜スタジアムでのライブDVDの3枚組み。構成は前々作『VISITORS』(1984)、前作『Cafe Bohemia』(1986)とほぼ同じ。コレクターズ・アイテムとしては申し分ない内容だ。

レコーディングの大半はロンドンでおこなわれている。プロデューサーにエルビス・コステロのプロデューサーも勤めたコリン・フェアリーを迎え、バンドのメンバーもコステロのバック・バンドであるアトラクションズのメンバーを中心に構成された。
にもかかわらず、このアルバムには佐野元春初となる日本語のタイトルがつけられた。かつ全曲日本語のタイトルでもある。歌詞をみても初期の作品と比べて明らかに英語が少ない。
UKロックと日本語の美しさが見事に調和されているロックンロール・アルバムだ。エルビス・コステロから借りたアコースティック・ギターを佐野元春が弾いているという「ジュジュ」のエピソードがそれを見事に物語っている。

今回の編集版はこの完成度の高いロンドン・レコーディングのロックンロール・アルバムからもれた、当時の日本での佐野元春のバンドであるハートランドとのセッションが中心に添えられている。



1989年といえばバブル末期。崩壊へのシナリオはもうこのころには固まっていたのだろう。
このころのインタヴューで佐野元春はよく"Think Global, Act Local"というコトバを引用していた。世間が土地転がしだとか株だとか実体を伴わないマネー・ゲームに夢中になっていたころ、佐野元春は"Think Global, Act Local"を実践していた。日本を海の向こうから冷静に眺めつつプロテスト・ソングをつくり、帰国後はレコードでライブでその想いをぶちまけていた。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)