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「三島由紀夫レター教室」(三島由紀夫,1968)

5人の登場人物が手紙だけを通して織り成すストーリー。
タイトルから連想されるようなハウツー本ではなく、純粋な文学作品。あとがきに少しだけうんちくじみたことも書かれているが。
いまでいえば、ケータイ・メールだけで構成された小説といったところだろう。そういう作品もすでに多くでまわっていることだろう。

「若きウェルテルの悩み」(ゲーテ,1774)とか、手紙で構成された小説は古くからめずらしくない。しかし、たいていの場合は往復書簡であったり主人公ひとりの手紙によるものだ。
「三島由紀夫レター教室」は5人の登場人物による手紙が複雑にからみあって物語を成しているのがすごい。しかも、登場人物全員が主人公であるといえる。

ケータイもメールもない時代。メールと違ってリアルタイミングで物語が進まないところが、小説として普遍的な作品にしているのだろう。メールと違って意図的につくられたのではない返信までの間が物語としての深みを与えるように思う。



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