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「冬の夢」(スコット・フィッツジェラルド,1922)

村上春樹はフィッツジェラルドの短編を「若き日の名作集」と「晩年の名作集」の2冊の短編集に分けて刊行するという。この『冬の夢』は「若き日の名作集」。「晩年の名作集」も近いうちに刊行予定だという。

「若き日の名作集」と「晩年の名作集」は長編「グレート・ギャツビー」(1925)を境に分かれるわけだが、短編集『冬の夢』の表題にもなっている短編「冬の夢」は「グレート・ギャツビー」の原型ともいえる作品だ。
サリンジャーの長編「ライ麦畑でつかまえて」(1951)と短編「気ちがいのぼく」(1945)の関係ほどではないにしろ。

ギャツビーは絶望のなかで死を選ぶけど、「冬の夢」の主人公デクスターはそこまではしない。
美しい夢を追って生きてきたけど、どこかでそれはもう手に入れることができないものだと知り、かつては抱けたはずの哀しみでさえもずっと昔に置き去りにされたままもう取り戻すことができないことに気づくのは同じ。



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