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「エクスタシーの湖」(スティーヴ・エリクソン,2005,2009)

「エクスタシーの湖」はスティーヴ・エリクソンの1作前の長編小説「真夜中に海がやってきた」(1999)の続編的物語になっている。いちぶ設定が異なるが、前作同様、クリスティンを物語の主人公としてはじまる。2004年、ロサンゼルスの中心部に突然巨大な湖"ゼッド湖"があらわれたところからはじまる。物語が進むにつれて内容は混沌としてくるわけだが、体裁も、もうどう理解したら良いのかわからなくなるほど混沌としてくる。

おそらく原文にできるだけ忠実に日本語訳版も制作されたのだと思うけど、途中から1行だけ別の物語が挿入されるようになったり、インデントが不規則になったり極端に下寄りになっていたり、フォントが変わったり、空白のページがあったり・・・。物語の内容をよりリアルに表現するためにはこのような体裁が必要だったのだろう。
なんでもありのWebでなら簡単に表現できるようにも思うが、よく考えてみるとこのような表現は、読み手はいつでも基本的に常に同一のページの枠内をリニアに読み進むことが前提の書籍ならではとも思う。



"彼女の恐怖は、母であることよりも大きくなる。恐怖はそれ自体が恐れる危険に変身して(強制改行)それは湖と呼ばれることになる。"という文章がある。どこまでが本当の物語でどこからが登場人物の妄想?恐怖?なのかわからないことが多い。

ポストモダンの作家のなかでもとくに前衛的な表現をしてきたスティーヴ・エリクソン。
とにかくいちど読んだだけで理解することは難しかったので、また少し時間をおいて読みなおしたいと思う。

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