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無印良品のめがね

普段使いのメガネを無印のに換えてから約1ヵ月たった。ほぼ違和感がなくなってきた。
度数やなにかは以前のものと変えずにつくってもらったものの、瞳のレンズからメガネのレンズまでの距離がミリ単位で変わるだけでかなり視界に違いがでることを実感した。

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この10年間ほどは白山眼鏡店の本店で3本のメガネをつくってもらっていた。
老舗ならではのサービスの質の高さのほかに、ジョン・レノン御用達というブランド(ジョン・レノンも白山眼鏡店で3本購入している。30年前のきょう、熱狂的なファンだというマーク・チャプマンに射殺された際にかけていたメガネはそのうちの1本)にひかれたことも否めない。当時のぼくは、ジョン・レノンが訪れたことがあるお店と聞くとすぐに行ってみたくなるような単純な男だった(正確にはジョン・レノンは白山眼鏡店には訪れていない。店舗へ行くことによって起きる混乱を恐れて、泊まっていたホテルに白山氏を招いて選んだという)。
10年前といえばいまほど低価格のメガネも一般的でなかったから、その値段もまったく気にならなかった。むしろ、サービスの質を考えたら安いくらいだと思っていた。
最後に買ったオールチタン製のものこそレンズ込みで7万円くらいしたけど、ほかの2本は5万円以下だったと思う。

それでも、1万円程度で購入できるさいきんの傾向をみれば、どうしても高く感じてしまう。それに加えて不安定な生活環境にいるという個人的な理由もある。いろいろなものをがまんすることは仕方のない代償だと思っている。

3本とも壊れたわけではないし度数などの条件もすべて同じにしてもらっていて視力が合わなくなったわけでもなかったから、もちろん古いものを使いつづけることもできた。
だけど、気分を変えたかった。
洋服も長持ちするほうだけど、メインのメガネも10年近く変えていなかったから、気分転換の矛先がてっとり早いメガネに向けられた。ケータイもカメラもクルマも何度か変えているけど、メガネだけは変えなかった。

新しいメガネは別になんてこともないデザインのものだし(無印のだからあたりまえか)、自分からいわなければ変えたことも気づかれないだろう。イメチェンにもならない。
世界の見え方が変わるわけでもない。
ただ単にてっとり早く自分のなかでなにかを変えたかっただけ。この10年間をなかったことにしたかったとか、そこまでおおげさでなくても、それに近い感覚がこういう動きをさせているのだろう。メガネにとってはとんだトバッチリを受けているわけだけど。
別にどんな方法でもよかった。とにかく出直しした気分になりたかった。

ジョン・レノンの30回目の命日を前にこんな暴挙にでるなんて裏切り行為だとも思ったけど、メガネにたよらなくたってジョン・レノンの精神はもうぼくの心に刻まれている、なんていってみたくなる気持ちもあるし。
だけどたぶんまた、生活が安定してきたら、白山眼鏡店のメガネを買うときが来るだろう。決して高級品というわけではないけど、ぼくにはいろんな意味でぜいたく品だ。
きっと、この10年間もそんなに悪いものじゃなかったと思える自分がまた白山眼鏡店のメガネをかけているはず。

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