メイン

2010年10月03日

「ソウルボーイへの伝言 The Very Best Of Motoharu Sano A Message to Soul Boy」(佐野元春,2010)

佐野元春のデビュー30周年を記念したベスト盤「ソウルボーイへの伝言 The Very Best Of Motoharu Sano A Message to Soul Boy」を購入した。
初回限定盤についてくる書簡が良い。とても佐野元春らしいウイットにあふれるメッセージを読むことができる。

30年もキャリアがあるアーティストを1枚のCD、16曲で語ることなどできるはずもないが、ヴォリュームだけ増やせば良いというものでもない。すでにデビュー20周年のときに2枚組みのベスト盤と1枚組みの裏ベスト盤的なアルバムをリリースしているし。
アーティスト主導の選曲(オリジナル版かリミックス版かの選択も含めて)ということで、たった16曲の枠のなかにシングル以外の曲がわりと多く含まれているのが良い。ベスト盤という体裁であってもトータルでメッセージ性も持たせたいという意図もみえる。
ラップやヒップホップのフォーマットに従ったアルバム『VISITORS』(1984)や『Stones and Eggs』(1999)からの曲が1曲も含まれていないことからも、クロニクル的ななかにも基本的にはR&Bアルバムなのだと理解している。近年「歌詞」に焦点をあてたテレビ番組(というか大学の講座)も持っているのに、スポークンワーズの歌も含まれていないし。
ベスト盤といっても単純な利益至上主義にしないところが佐野元春らしい。



2010年09月08日

「Reimagines Gershwin」(ブライアン・ウィルソン,2010)

ブライアン・ウィルソンの2年ぶりの新作はジョージ・ガーシュウィンのカヴァー集。ジャズとクラシックとポップスの見事な融合。
でも、ヴォーカルやコーラスはブライアンの仕事以外の何者でもない。ポップな楽曲ほど濃い影を落とすような不思議な感覚も健在だ。ブライアン・ウィルソンの音楽に対するイノセンスは衰えることを知らない。



「The Like In I Love You」と「Nothing But Love」はガーシュウィンが生前遺した未完作品を、ブライアンが新たに作曲したフレーズでつなぎ合わせた新曲だ。月並みな言葉だけど、まさに、天才音楽家同士の時空を越えたコラボレーションだ。

2010年08月24日

「本当は怖い愛とロマンス」(桑田佳祐,2010)

桑田佳祐のソロ活動はぼくのバイオリズムと比例しているという説があって、ソロで活動をおこなう年はぼくもいろいろあわただしくなることが多い。

精力的にソロ活動をおこなうとアナウンスがあったやさきに食道がん治療のための休養に入ったことも含めて、ことしもまさにそんな匂いがぷんぷんしてて、ことし後半は静かに波乱が起きることだろう。



「本当は怖い愛とロマンス」は予想に反してポップな感じで、タイトルだけ聞いたときはもっと艶やかで妖しい感じの曲を想像していた。
そんなことよりもなによりも、はじめてラジオから流れてくるこの曲を聴いたときに思ったことは、歌詞の世界があまりにも実体験に近かったこと。ダメな男の典型だ。
桑田佳祐はこうして、ときに、ダメな男の気持ちをカッコつけずにおおっぴらに代弁してくれるから好きだ。

カップリングにはさいきん流行のライヴ音源がふんだんにつめこまれている。
こちらも好きな曲ばかりだ。シングル級の曲にまじって、「今でも君を愛してる」とか「誰かの風の跡」とか(ともに1stアルバム『Keisuke Kuwata』(1988)に収録)、地味だけど大好きな曲が入っているのがうれしい。いままでどれほど聴いてきたことか。若き日の甘酸っぱい思い出がつまってる。もう取り返すことはできないけど変わることもない、たいせつなささやかな思い出たち。

 1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7  |  8  |  9  | All pages »